心を育てる「ヨコハマ花育プロジェクト」とは?

「花育」という言葉をご存知でしょうか?
2008年に「全国花育活動推進協議会」という団体が発足し、花を育てることによって優しい心や想像力をはぐくむ「花育」という言葉が生まれました。
豊かな食生活について考える「食育」と似た活動と言っていいでしょう。
さらに、2014年6月には「花を通じて豊かな心を育もう」という「花き振興法」という法律も制定されました。心の教育がより重要になっている現代において、昔から行われていた「花を通じて優しい心をはぐくむ」ということが改めて注目されていると感じています。

花は単なる商品ではなく、人の気持ちを贈るもの

私も花の魅力を伝える手段として、花育には大変興味を持っていました。
花育を取り組むにあたり、改めて「花」というものの価値を考えたときに、
「花は単なる商品ではなく、人の気持ちを贈るもの
“好き”“ありがとう”という気持ちを伝えるためには、
相手のことを考えて育てることで、気持ちは想いがより深まる」
「花は単なる商品ではなく、人の気持ちを贈るもの」
ということを改めて思いました。
贈る人のことを考えて一生懸命に育てた花は、世界にひとつしかない特別な贈りものになります。自分の手で花を咲かせるという経験を通じて、優しい気持ちや相手のことを思いやる心を育てることができると思い、はじめたのが「ヨコハマ花育プロジェクト」です。

花を育てることで、優しい心と思いやりをはぐくむ

私はコチョウランの生産者でもあり、花育ではコチョウランの花を使っています。
難しいイメージがある蘭の花ですが、決して難しいことはありません。
まず、1人に1鉢ずつ渡して、日当りのよい場所に鉢を置いて、週に一度の水やりや支柱を立てるといった簡単な世話だけで大丈夫です。
1ヶ月半から2ヶ月ほどできれいな花を咲かせ、最後は梱包して大切な人にプレゼントすることが、プロジェクトの流れになります。

過去には小学校1年生のクラスで行いましたが、クラス全員がきれいな花を咲かせることができました。
渡したときに相手がどんな顔をしてくれるのか、考えながら育てていくうちに、子どもたちの花に対する愛着は日に日に増していきます。
最初はあまり関心を示さなかった子どもも、月曜日になると花が咲いているかを登校したら真っ先に見に行ったり、「今日、お花が咲いたよ!」といった親子の会話も自然と増えたそうです。 花を育てたクラスの子ども全員で記念撮影をしたのですが、きれいに咲いた花に負けないくらいに明るい笑顔が印象的でしたね。

子どもと地域をつなぐ「ヨコハマ花育プロジェクト」

「ヨコハマ花育プロジェクト」は、ご賛同いただいた地域の企業様による「花育基金」によって運営されています。
プロジェクトにご賛同いただいた地元の企業様には、御祝用や福利厚生の一環として花をご購入いただいた際、購入資金の一部を「花育基金」として寄付させていただくシステムをとっています。
「花育基金」をもとに子どもたちが育てるための苗を購入し、子どもたちは無償で花を育てる機会が与えられます。
子どもたちは花育を通じ、自然の恩恵や大切な人を思う気持ちや、日常的に花に接する生活を知るきっかけになります。
また、花を育てる機会を与えてくれた大人たちへの感謝を知る一方、企業側としても、地元の子どもたちを笑顔にする社会貢献活動の一環にもなります。
花を育てることを通じ、子どもたちと地域の人々のつながりを育てることも、「ヨコハマ花育プロジェクト」では、大きな役割を担っています。

花育を通じて、花をもっと身近に感じてもらいたい

日本では記念日に、花をプレゼントするという習慣はありますが、花のある暮らしという文化はあまり根付いていません。
花を飾るだけでなく、花を育てることで豊かな心や暮らしをはぐくむということを広げていきたいというのが私の考えです。
この「ヨコハマ花育プロジェクト」を通じて、子どもたちや親御さん、そして地域のいろいろな人に笑顔の輪が広がっていくことが、私の一番の願いです。

椎名洋ラン園 マネージャー
椎名輝(しいなひかる)氏

花き業界でも注目を集める「ヨコハマ花育プロジェクト」の若きプロジェクトリーダー。
椎名氏が勤める「椎名洋ラン園」は、10数年にわたる品種改良の末、コンパクトでボリューム感のある「ミディーコチョウラン」を開発し、コチョウランの新しいスタイルを確立。
「世界らん展日本大賞」奨励賞、「日本フラワー・オブ・ザ・イヤー」ベストフラワー賞など、権威あるコンテストで数々の受賞経験を持つ。
近年では、よりコンパクトな「テーブルコチョウラン」や「マイクロコチョウラン」といった品種の開発にも取り組み、コチョウランの普及に力を注いでいる。

椎名洋ラン園
http://www.ranran.co.jp

子どもたちの変わっていく姿が目に浮かびますね

日々成長していく姿を見守ることや、気持ちを贈ることとして、お花にはとてつもない力があると、私も感じています。
先日、私たちの教室でダンスを取り入れたことがあったのですが、子どもたちも音楽を通じて今までとは違った一面を見ることができました。
感覚に訴えるダンスの力というのはすごいものだと改めて感じましたし、お花にも言葉では伝えられないパワーを感じています。
贈る人のことを考えて育てることで、子どもたちが日に日に変わっていく姿が目に浮かびます。
中には、お花を育てることが夢中になって、かじりつくようにお花を育てる子もきっと出てくるでしょうね(笑)
花育を通じて、子どもたちの新たな一面が発見できるかと思うと、今からワクワクします。